急行電車

最近夢でよく見るのは、見慣れた海と、蜘蛛の巣のように張り巡らされたレイルの上を走る電車と、エレベータが沢山ある高層ビルにいる夢。

 

 

向こうから戻ってきてから4週間も経ったのに、始発で戻るはずが残業終わりに転がるように終電で戻ってきたせいで荷物と気持ちを少し置いてきてしまったようだ、と思う。

 

行きたくもなかった都会での一人暮らしで、社会の歯車になって、お偉いさん達の傍若無人に振り回されて、色々なことがこの年になって漸くわかり始めている。自分で金を稼いで生きるようになって、漸く社会で生きている大人に少しは近づけたのかもしれないけど、まだまだ自分は尻の青い子供であるとも思う。

 

こちらでの生活は、向こうでの生活とはまるで真反対で、こちらは海もなければスケートボードを流せる広い道路もないけれど、向こうにはないものの方が僕にとっては大切であると思った。

あまりに生活が違うので、夢から覚めた後に、どちらが夢なのかわからなくなってしまうことがある。今自分がどこにいるのか。最近は夢のようないいこともあるので、出来れば夢ならばもう少しだけ冷めないでいてほしいと思う。

今の日本は銃も戦争も無い国であるから、平和である訳で、平和な国というものは不幸な人間には生きづらい世の中であるものです。向こうの生活では何故かとても戦争や銃火器が甘美なものに感じられてしょうがなかったのはきっと心に余裕がなかったからだったんだろうなと、最近の自分は思う。せめて自分にとって大切な人と、その人の大切な人にとっては幸福で、生きやすい世の中であることを願って。